
大阪府河内長野市にお住まいの奥様より、離婚公正証書作成サポートのご依頼をいただきました。
段階に応じて養育費の額が変わることや、奥様とお子さんたちが離婚後1年間はご主人名義の不動産に住む(その間のローン返済などは奥様が負担する)ことなどが、今回の事例のポイントです。
女性:50代 会社員
男性:50代 会社員
お子さん 二人(大学生と高校生)
まずは奥様から電話をいただき、相談日時の予約を入れていただきました。
ご相談の時点で、大まかなことは決められていましたが、固定資産税について・不動産管理費用が発生した場合についてなどは、まだ決められていませんでした。
まだ決まっていない点についてお伝えし、話し合っておくほうがいいとアドバイスさせていただきました。
養育費については、上のお子さん(大学生)は、「大学の卒業まで月々の金額」を決められていましたが、下のお子さん(高校生)については、あいまいにしか決められていなかったため、どういったポイントを決めればいいのか、お伝えしました。
この時点では、「二人で○○円」というように合算で養育費を検討されていましたが、それでは、公正証書の記載としては適切でないため、一人一人の額を決める必要があることも、お伝えしました。
相談の最後に、「ぜひお願いします」ということで、依頼していただきました。
途中でご主人の転勤が決まったため、タイトなスケジュールの中、依頼を進めていくことになりました。
以下で、今回の離婚公正証書のポイントを説明していきます。
養育費に関するお客様の主なご要望は、「『高校生の時は○○円』『大学生の時は○○円』というように、段階に応じて養育費の額を変更したい」ということでした。
上のお子さんが大学生、下のお子さんが高校生の間は、それぞれについての養育費の金額が異なることになります。
養育費の期間は、上のお子さんは大学生ですので「大学卒業まで」、下のお子さんは、まだどのようになるかわからないため、「大学に進学した場合は、その卒業まで」「短大あるいは専門学校に進学した場合、その卒業まで」と決められています。
その卒業予定の年月は記載しています。
入学時などに必要となる費用は、「その都度、協議して決める」、また、高額の医療費等が発生した場合も「その都度、協議して決める」とされています。
ご主人名義の不動産に、離婚より1年間は、奥様とお子さんで、この不動産に住み続けることになっています。
1年後以降は、売却を検討されます。
不動産の名義、およびローンの債務者は、ご主人のままになりますが、奥様とお子さんたちが住み続ける間の固定資産税、住宅ローンの返済、不動産について発生する費用は、奥様が負担すると決められました。
ローンの返済は、ご主人の口座からの引き落としなので、奥様がその通帳を預かり、住宅ローンを返済されます。その間の固定資産税も奥様が負担されます。
(奥様→ご主人にローン返済分の振込をする方法もありますが、この場合は、この振込金額について、ご主人から奥様に対し強制執行ができる公正証書にすることができます。)
1年後、不動産をどうするのかは、売却を検討して協議することになりました。
売却できた場合は、売却代金より、残ローン返済・売却に伴う費用を差し引いて、残りを折半することに決められました。
(オーバーローンになる場合も、折半での負担ですが、現状その可能性は低いとのことです。)
離婚時年金分割には、「合意分割」と「3号分割」の2種類がありますが、今回の方は「合意分割」に該当します。
合意分割の場合は、
上記3つの方法がありますが、今回は3つめの「年金事務所に二人で行って手続き」を選ばれました。
この方法だと、費用がかかりません。手続きの期限は、「離婚から2年以内」です。
3の場合、一緒に行くことを公正証書に入れることが多いですが、今回、お客様が指定された公証役場では、3を入れても、1の年金事務所に提出するものとしての合意内容を入れる場合と同じ金額がかかる(公正証書の費用)ということでしたので、公正証書には記載されていません。
他の公証役場では、3として入れる場合は費用の計算には入らなかったのですが、そこは公証人のご判断による違いで、お客様が公証役場を指定される場合は、難しいところです。
通常の文言を、今回も入れています。
その他に、「それぞれの住居で面会を行わない」という内容は、ご希望により入れています。
今回、お客様が負担された費用は、以下の通りです。
<当事務所への費用>
<公証役場費用>
公証役場に支払う費用は、公正証書の内容により計算されます。
詳しくは当事務所にご相談ください。
上記は依頼の後、奥様からいただいたアンケートです。
離婚公正証書の作成をきちんと進めていくことで、「精神的に楽になった」と仰っていただく機会は多いです。
当事務所としても、お客様の不安を払拭できることを、嬉しくありがたく思います。