大阪市にお住まいの奥様から、離婚公正証書の作成サポートのご依頼をいただきました。
養育費や面会についてのほか、不動産についてやご主人から奥様に私的な連絡をしない誓約等を、公正証書に記載されています。
また、この方の場合、離婚時年金分割は3号分割に該当するので、公正証書への記載はありませんが、3号分割について、お答えしたことをもとに、この記事でも解説を加えておきます。
女性:40代 専業主婦
男性:40代 会社員
お子さん 二人(上のお子さんは成人)
奥様よりLINEで「電話相談をお願いします」と、お問い合わせがありました。
LINEをいただいた当日の夕方が対応可能でしたので、その日のうちに電話相談をすることになりました。
奥様は離婚公正証書の作成を希望されていましたが、そのことをまだご主人には言われてない状況でした。離婚公正証書の作成には、お二人の合意が必要です。
「この電話のあとで、すぐに主人に相談をします」ということで電話相談を終了し、その日のうちに「主人と相談をして合意を得たので依頼します」と再度お電話をいただきました。
離婚の理由はいくつかあるそうですが、奥様はご主人にモラハラと思う言動があることが大きいことだったそうです。
それに伴い、離婚後、「私的な連絡をしない」ということを公正証書に記載することができるかどうかのご質問がありました。
養育費のお支払いが何年も続くので、住所、連絡先、勤務先等の変更があった際の通知義務は必要ですが、相手に合意があれば、記載は可能であることをお伝えしました。
養育費については、「養育費は何歳までですか?」と質問がありました。
20歳までと決められることも、大学を卒業するまでと決められることもありますが、20歳までと決めても、ただし書きで、「大学に進学した場合は卒業まで」と決めて記載しておくこともできること等、説明しました。
その他、養育費について、公正証書に必要な決めていただくことをお伝えしました。
進学時の学費等の費用や、もしもの事故、病気の費用等についても、決めておかれる方が多いことをお伝えしました。
後に、ご主人と話し合われ、「協議してそれぞれの負担額」を決めるとされました。
また、「年金分割」についての質問がありました。
奥様は、婚姻期間ずっと専業主婦でお仕事をされず、ご主人は厚生年金ということでした。
婚姻された年も3号分割が始まった年以降ですので、離婚時年金分割の3号分割に該当します。
3号分割は、離婚後、2年以内にお二人のうち、どちらか一方だけで申請することができます。
奥様からお聞きした状況からは3号分割に該当しますが、念のため、年金事務所に問い合わせておくようをお伝えしました。
離婚時年金分割の3号分割は、公正証書に記載する必要や合意書も必要ではありません。
離婚後2年以内に、年金事務所に、どちらか一方が申請手続きをするだけです。
離婚時の厚生年金の分割(3号分割)について詳しい情報は、日本年金機構のウェブサイトなどでご確認ください。
上記が、今回の離婚公正証書で明確にした主な内容です。
二人のお子さんのうち、上のお子さんは成人して働いているので、養育費はありません。
今回の養育費は、下のお子さんについてです。
下のお子さんの養育費は、基本的には「大学を卒業するまで」ですが、「高校卒業後に就職する場合は、高校卒業まで」、「学校を卒業後、すぐに就職しない場合は協議する」と決められ、公正証書にはその内容に必要な記載がされています。
ご主人とお子さんとの面会については、具体的な目安である月に何回という決め方はされていません。
連絡をして行うということになっています。
不動産については、ご主人名義でローン債務者もご主人です。
ご主人の所有とされ、ローン残債もご主人が引き受けることになっています。
現段階で不動産を売却すれば、オーバーローンになってしまうことからの判断でした。
不動産にある家財道具については、別途協議して決めるとされています。
通常の通知義務は入っています。
離婚後はお子さんとの面会のことや、お子さんについてのこと以外で、ご主人から奥様に私的な連絡をしない誓約が公正証書に記載されています。
通知義務である住所、連絡先、勤務先等に変更があったときや、お子さんについてのこと以外での私的な連絡は一切しないと誓約されています。
たとえば、面会時にお子さんに関する気になることがあって、それを共有するために奥様に連絡すること等は構いませんが、お子さんのこと以外の私的な連絡はしてほしくないということでした。
この誓約についてはご主人も同意されているので、離婚公正証書に記載されています。
今回、お客様が負担された費用は、以下の通りです。
<当事務所への費用(税込)>
<公証役場費用>
公証役場に支払う費用は公正証書の内容により計算されます。
詳しくは当事務所にご相談ください。
今回のように、「私的な連絡をしない」などのお二人の誓約は、お二人の合意があれば、内容によって離婚の公正証書の内容に含められる場合があります。
口約束では不安な誓約を、離婚公正証書できちんと文字として残すことができれば、安心していただけることと思います。
離婚の公正証書についてわからないことがある場合などは、オフィス大石にご相談ください。
初回相談は1時間まで無料で対応させていただきます。