離婚届出が5か月先になる場合の公正証書の作成事例|大阪府大阪市

今回の事例内容

今回は、「約5か月後に離婚予定なのですが、その場合でも今から公正証書を作ることは可能ですか?」という奥様からのご依頼です。

 

ポイントになったのは

 

  • ご主人の事情で、5か月後に離婚する予定
  • 養育費はお子さんが23歳になる前月までご主人が支払う
  • 学費・医療費などの特別な費用は、男性8:女性2の割合で負担する
  • 離婚時年金分割は合意分割になり、離婚後2人で年金事務所に行って手続きを行う
  • 面会交流の設定
  • 婚姻中のご主人名義の不動産は、ご主人の所有であることを確認し、住宅ローン返済もご主人が責任をもって行う

 

でした。

 

これらを明確にし公正証書の作成サポートを行いました。結果として、ご夫婦が納得のいく離婚の公正証書を作成することができました。

 

事例詳細

ご相談内容

女性:30代 会社員 

男性:40代 会社員

お子さん1人(8才)

※奥様からご相談がありました。

 

今回のご依頼は奥様がホームページをご覧になられ、「離婚の公正証書について相談したい。離婚は今から約5か月先だが公正証書は作成可能か?」という内容で、お電話にてお問い合わせがありました。

 

お電話で予約をしていただき、後日対面でお話を伺うことになりました。

 

既にご夫婦で離婚をすることは決定していましたが、ご主人様の事情で「今から約5か月後に離婚する」とのことでした。それまでは家庭内別居のような状態とのことです。

 

離婚は先であっても、離婚後の決めごと(養育費の支払い期間や金額等)が決まっていれば公正証書の作成は可能です。養育費を何年何月から何年何月まで、毎月の金額、毎月の支払期限、支払方法を確定することが必要になります。

 

対面での面談後に、改めて「公正証書の作成サポートを依頼したい」とのご連絡を奥様よりいただきました。

今回の離婚の公正証書で明確にした条項

今回の事例では、

 

  • 養育費はお子さんが23歳になる前月までご主人が支払う
  • 23歳の時点でお子さんの就職が決まっていない場合は2人で話し合ってお子さんのサポートについて協議する(お子さんについてのご事情により必要があるため)
  • 学費・医療費などの特別な費用は、男性8:女性2の割合で負担する
  • 離婚時年金分割は合意分割になり、離婚後2人で年金事務所に行って手続きを行う
  • ご主人名義の不動産はご主人の所有とし、そのローン返済は債務者であるご主人が責任をもって返済する
  • 面会交流の設定
  • 公正証書作成に関する費用は実費(戸籍謄本代等)も含めて折半する

 

という内容が中心となりました。

通知義務、清算条項、強制執行の連絡、管轄裁判所についての内容も公正証書に記載しています。

お子さんが23歳になる前月までご主人が養育費を支払う

養育費の支払い期間については、一般的にはお子さんが20歳まで、または大学卒業までと決められるケースが多いです。

 

今回のケースではお子さんが23歳になる前月まで養育費をご主人が支払い、23歳の時点でお子さんの就職が決まっていない場合は、2人(ご主人と奥様)で話し合ってお子さんのサポートについて協議するという内容で公正証書に記載となりました。

 

事情があり、その時点でサポートする必要があるかもしれないということです。

学費・医療費などの特別な費用は、男性8:女性2の割合で負担する

お子さんが将来、病気や怪我をしたときの医療費については、一般的には2人で折半をする、もしくはその時に協議をして決めることが多いのですが、今回のご夫婦は「男性8:女性2」の割合で負担することを公正証書に盛り込みました。

離婚時年金分割の合意分割は、離婚後2人で年金事務所に行って手続きを行う

ご夫婦は2人とも会社員でしたので、それぞれが厚生年金に加入されています。

年金分割をするのであれば合意分割に該当します。

 

合意分割は、

「お二人からの請求により年金を分割する方法」のことで、「分割の割合は上限を0.5として、お二人の合意、または、裁判手続によって決まった割合」とすることが可能です。

 

合意分割を行うには、以下の方法があることを奥様に説明しました。

 

①離婚後に二人で年金事務所に行って手続きを行う

②公正証書に年金分割合意の内容を記載する

③年金分割合意書を作成し、公証人の認証をもらう

 

今回は手続費用の負担の少ない①の方法で、離婚後に2人で年金事務所に行き手続きを行うことにして、その内容を公正証書に明記しました。

 

合意分割で要求されている書面にはなりませんが、

上記を公正証書に明記することで、手続きに行かないということを避ける狙いがあります。

実際にかかった費用

お客様が負担された費用は以下の通りです。

 

当事務所への費用(税込)

・公正証書作成サポート 55,000円

 

公証役場費用

・公正役場費用     22,750円

・交付送達         1,650円(送達 1,400円、送達証明書 250円)

 

公証役場に支払う費用は公正証書の内容により計算されます。詳しくは当事務所にご相談ください。

 

まとめ

今回は、離婚手続きが5か月先になるケースで、

 

  • 養育費はお子さんが23歳になる前月までご主人が支払う
  • 学費・医療費などの特別な費用は、男性8:女性2の割合で負担する
  • 離婚時年金分割は合意分割になり、離婚後2人で年金事務所に行って手続きを行う
  • 面会交流の設定

 

といった内容を中心に、お問い合わせから約1か月で公正証書を作成することができました。

 

ご夫婦が離婚される時期は、この公正証書を作成してから約5か月先ですが、養育費の支払い期間や金額について詳細が決まっているのであれば公正証書の作成は可能です

 

当事務所では、公正証書を作成する際に、お客様が合意された養育費や慰謝料の金額、支払方法などについて、基本的にはチェックシートにご記入いただき、電話、メールなどでお話ししながら原案作成を進めるというように、公正証書作成をサポートしております。

 

離婚の公正証書についてわからないことがある場合などは、オフィス大石までご相談ください。

初回相談は1時間まで無料で対応させていただきます。

この事例の担当

行政書士 大石明美 行政書士オフィス大石代表

神戸にある大学の文学部英文学科卒業。
販売関係の仕事、日本語教師を経て、2008年12月10日行政書士オフィスを開業。
離婚等の公正証書作成サポートを開始。
2014年 大阪府行政書士会第65回定時総会にて「会長表彰」を受賞。
北海道から沖縄まで、全国各地から離婚公正証書作成サポート、別居公正証書作成サポート等のご依頼を受けています。

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