強制執行できない公正証書の相談事例

離婚の公正証書を作りたいから相談したい

まず最初に、公正証書を作成するにあたって、離婚の状況や公正証書に入れる内容の同意などの確認しました。

離婚の状況

  • 離婚すると決めているけど、まず先に別居をする
  • 事務所兼住宅(ご主人名義)を売却しようと思っている
  • 離婚後も仕事は一緒にしようと考えている
  • 相手の話がコロコロ変わるから早く書面を作成したい

このようなことをお話されましたが、まだ全体的に曖昧な状態であり、ご主人からの同意も得られているのか、得られていないのか分からない状態でした。

奥様は公正証書の作成を希望されていたのですが、強制執行のできる公正証書にするためには、曖昧な部分があっては(お金が絡むことなど)、思われているような公正証書にならないため、決めておくべきことを説明しました。

その結果、もし不動産を売却しない場合は長男に相続させようとも考えているという話がでてきて、まだ最終的に決めたという段階ではないようでしたので、まずはしっかりとお二人で話し合っていただいた方がよいのでは?と初回の相談を終わりました。

正式な依頼を受けた2回目の相談

詳細が決まったということで正式に依頼を受け、本格的に公正証書にするための内容の確認に入りました。

 

詳細を聞いていくと、最初の相談時に聞いていたように、不動産は売却し、財産分与として売却費用の半分をお金として受け取るということでした。

 

ただ、最初の相談時と同じく、不動産がいくらで売れるのか、いつ売れるのかが分からないため、その半分を財産分与として分与されるのとしても、その支払い期限、金額が確定できないため、今のタイミングで公正証書を作成したとしても強制執行できないものになることをお伝えしました。

奥様はご主人が言うことはコロコロ変わるため、これで書面に残しておきたい!と強く希望され、それなら、公正証書にしない離婚協議書でいいのではないでしょうか?とお伝えし、離婚協議書を作成することになりました。

このときは、約束したことを書面に残し、売却金額がわかり、財産分与として受け取られる金額がわかったときに、公正証書を作成することを希望されていました。

 

 

その後、数か月経ち、別居はしていて、離婚届はまだ出していないが、不動産の扱いについて、変わったのでもう一度書面を作成したいということで、問い合わせをいただきました。

 

変わったのは、不動産を売却するのでなく、ご主人からご奥様に財産分与として不動産の二分の一の所有権を譲渡するということでした。

そうすると、離婚したお二人が共有名義で不動産をもつことになり、後々、問題がおきそうな状況ではありますが、後の二分の一については、息子さんの所有にすること等、離婚とは別に考えていかれるそうです。

 

ただ、この場合も、現金が動くものではないため、公正証書を作成しても強制執行できないものになることをお伝えし、今回も離婚協議書として作成することになりました。

 

内容が変わりそうであれば、最終的なことが決まってからの作成をアドバイスしましたが、ご本人の希望により、二度になってもいいから、そのとき決まっていたことをとにかく書面にしておきたいと強く希望されたこともあり、結果的には書面を二度作成することになりましたが、

二度目の書面も公正証書にしない離婚協議書にすることで、公正証書にするより費用が安くおさえられたこと、事情を考慮した上で、公正証書にしなくてもいいのではないか等の適切なアドバイスをもらえたと言っていただけました。

 

公正証書と離婚協議書の作成サポートなら行政書士大石にご相談ください。

 

 

この事例の担当

行政書士 大石明美 行政書士オフィス大石代表

神戸にある大学の文学部英文学科卒業。
販売関係の仕事、日本語教師を経て、2008年12月10日行政書士オフィスを開業。
離婚等の公正証書作成サポートを開始。
2014年 大阪府行政書士会第65回定時総会にて「会長表彰」を受賞。
北海道から沖縄まで、全国各地から離婚公正証書作成サポート、別居公正証書作成サポート等のご依頼を受けています。

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