男性から電話で「離婚をするので公正証書の作成サポートをお願いしたいのですが・・・」とご連絡をいただきました。
予約をしていただき、当事務所に奥様と2人で来られた時には、ある程度の入れたいことは決まっていて、当事務所に依頼していただきましたので、その場で内容の聞き取りをさせていただきました。
この3つの項目について、公正証書に入れたいということでした。
ただ、他にも入れ忘れることがないかを確認するために、「慰謝料の有無」「財産分与の有無」などを確認させていただき、上記内容について聞かせていただきました。
その他、「離婚の合意」「親権者・監護権者」「清算条項」「強制執行の認諾」は、原案に入ります。
公正証書の文章の元になる原案作成にあたり、決められていたことが複雑だったため、その複雑な部分を文章化するためにヒアリングをさせていただきました。
この2つについて決められていたことが、文章にするには少し複雑だったため、細かく聞いていきました。
面会する日を決める方法がレアケースで、面会を希望する日の2ヶ月前の末日までに父親が母親に伝え、母親の許可を得た上で面会ができるようにするという内容を公正証書に入れることを望まれていました。
複雑だった理由は、「面会を希望する日の2か月前の末日までに」の「末日までに」の部分です。
例えば4月30日に会いたいとした場合は2月28日までに伝える必要がありますが、5月1日に会いたいとした場合は3月31日までに伝えればよいことになります。
ということは、4月30日に会いたい場合は2ヶ月前に伝えることになり、5月1日に会いたい場合は約1ヶ月前に伝えることになり、希望日によって、希望を伝えた日から面会日までの期間に大きな差が生じます。
伝えるほうも面会の度に大変ではないかと思われます。
こういった理由から、希望日の2ヵ月前としたほうがわかりやすくないですか?と、具体例をあげてお伝えさせていただきましたが、このままで大丈夫ですということでしたので、2ヶ月前の末日までにと原案に入れさせていただき、公正証書もそのようになっています。
また、子どもの行事についても、1年に1回、年間行事をメールやLINEで送るとされています。
「住所を変更した際に、変更したことを伝えるだけではなく、住所変更をした日から10日以内に新しい住所の住民票を取り、郵送する。」と決められていました。
ただ、わりと大変なことでもあるので、郵送なんですね?と念のために確認すると、「最近スマホもあるので写真でもいいか」となり、お2人でその場で決められたように、「写真を撮りメールかLINEなどに送る」となりました。
この通知については、養育費の支払い終了後は再協議をするという内容も入っています。
今回の公正証書に入れたい内容に関して、矛盾を感じたり、非常に細かすぎるほど決められていたように感じたところがあります。確認の上、そのままの内容を希望されたところは、そのままにはなっていますが。
こういったケースでは、ご自分達でここまで細かく決められることはまずなく、ネットでサンプルを真似して公正証書に入れる内容を決められていることがあります。
サンプルはあくまでもサンプルであり、その方々にあわせてのものではありません。サンプルにより、他の部分にくらべ、ある部分が大変細かくなっているものがあります。
背景や状況などが一致しないと非常に複雑な内容になってしまうことにもつながります。もちろん、複雑になる必要がある内容もありますが、実際に行うことを考えれば、シンプルにしておくほうがいいこともあると思われます。
当事務所は複雑な内容であっても公正証書の原案作成は行えますが、問題は細かく複雑になればなるほど、公正証書作成にむけてお2人で決めた内容にもかかわらず、お2人が長い期間忘れずに、公正証書に記載した約束を遂行しつづけるのが難しくなるということです。
細かく決めることが悪いわけではありませんが、できる限り適切な決め方をされることをお勧めいたします。
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