
大阪府にお住まいの女性から公正証書の作成に関する相談をうけました。
相談時には、「海外に単身赴任中の夫と離婚をしたいと考え公正証書をつくらないと!」と思われていたらしく、自分で少し調べたそうです。
「夫は海外赴任中だから、どのようにして作成できるのかを調べていたところ、代理人を立てれば公正証書の作成に必要な調印ができるところまではわかったのですが、確証がなかったり、他の細かな条件等に関しての不明点がたくさんありました」ということでした。
そのため、当事務所に「夫が海外赴任中なんですが、代理人を立てたら離婚の公正証書は作成できますか?」という内容から1時間無料の電話相談を利用されました。
結論からお伝えすると、ご主人が海外赴任中の場合であっても代理人を立てれば公正証書は作成できますが、離婚に伴う公正証書は、公証人によっては代理人を立てての作成ができない場合もありますとお答えさせていただきました。
調印において代理人を立てて公正証書を作成する場合、2つの注意点があります。
代理人を立てることで公正証書は作成できるとお答えしましたが、公正証書は公証役場にいる公証人が作成するものです。
離婚に伴う公正証書について代理人を認めない公証人もいらっしゃいますため、その公証人の役場では公正証書を作成できない場合があります。
公正証書の調印を代理人で行う場合、委任する人の印鑑証明書が必要です。
印鑑証明書は、住民登録に基づいて実印登録をするものなので、海外赴任中の場合、日本に住民登録をしていない可能性があります。日本に住民登録がないと、実印登録ができず、印鑑証明書を取得できません。
これらの理由から、代理人を利用した公正証書の作成を必ずしもできると言い切れません。
ただ、行政書士大石では、代理人での調印を希望される方については、お客様から公証役場の指定がない限り、代理人での調印が可能な公証役場にお願いすることになります。
※ちなみに、公正証書作成サービスをご依頼いただいている方に関して、公正証書の調印手続きの代理人が必要な場合、代理人をさせていただきます。また、その場合、別途費用がかかります。
サイン証明(署名証明)とは、海外で使われている書類で、申請者の署名が確かに領事の面前でなされたことを証明するものであり、このサインは、この人のサインだということを証明する書類です。
公的な書類となりますので、今回のように、代理人手続きのため印鑑証明書が必要で、現在日本に住民登録がないような場合等、印鑑証明書にかわる書類として使います。
上記に記載の通り、サイン証明を使えば、委任者の本人確認ができます。
よって、海外在住の方がどうしても代理人を立てようと思う場合で、調印当日、公証役場に行くことができないときは、サイン証明を使うことになります。
基本的に、公正証書の作成において、本人が公証役場に行って、署名捺印するのが原則です。
そのため、「ご主人が日本に帰国中に、公正証書の調印日を設定できるのであれば、印鑑証明書がなくても、日本の運転免許証などがあれば大丈夫ですよ。」とお伝えさせていただきました。
海外赴任中に離婚をすることになったりすることもあるでしょうし、人により離婚は様々で、公正証書に記載する内容も様々です。
また、離婚には養育費や慰謝料、財産分与などお金の関わることも多いため、できる限り公正証書についての詳細なアドバイスのもとに、公正証書の作成をすることをおすすめいたします。
公正証書の作成をお考えであれば、お気軽に行政書士大石にご相談ください。