女性から「離婚することが決まったので、相談したい」とお電話をいただきました。
すぐに相談をしたいということでしたので、離婚の段階はどこまで進んでいるか?また、調停は予定していないかということをまず最初に確認をさせていただいて、「調停は予定していない」ということでしたので、当事務所に来ていただくこととなりました。
※調停をするかどうかを聞く理由は、調停等、争いになっている状況においては、行政書士は関与できないとなっているため、相談を受けることができないと判断しています。
そして、事務所に来られた際に、最初に離婚の経緯をお話され、書面にしたいと言われました。
書面にしたいことは上記3つで、既にある程度は決めているということでした。
決めているという3つのことについて更に詳しくヒアリングし、アドバイスをさせていただきました。
離婚後となる来年、ご主人は退職され、ご主人の退職金を折半することで合意をしているということでしたが、確実に受け取れるようにしたいということで、書面作成を望まれていました。
確実に受け取れるようにということから、公正証書の説明をしましたが、退職時期と金額がはっきりしていないということで、「公正証書を作成したとしても求める効果が得られない」ことをお伝えさせていただきました。
その際、奥様から、実は弁護士にも相談に行きましたが、「公正証書は無理だといわれた」と言われたということで、離婚協議書を考えているということでした。
相談時には、住宅ローンの残っている不動産の売却が決まり、売却代金が入る日にちもわかっていました。売却代金から残ローンを完済し、残った金額を折半すると決められていました。
離婚協議書作成段階で、売却代金が入り、折半した金額も受け取られていましたので、離婚協議書には、財産分与として受領された旨の記載となっています。
奥様は年金分割をしたいと考えられていて、これについても、ご主人の同意を得ているということでした。
奥様の年金についての状態を聞き、離婚時年金分割についての合意分割と3号分割の説明をさせていただきました。結果的に奥様は合意分割を希望されました。
合意分割となると、公正証書あるいは公証人の認証のある私署文書が必要となるのですが、離婚後にお2人で年金事務所に手続きに行けば、その書面の必要はないことをお伝えしました。
ご主人に説明され、一緒に行ってくださるということでしたので、「離婚後に一緒に行って手続きをする」という約束について記載してあります。
今回のご依頼主は、一度弁護士に相談に行き、公正証書は無理だと言われたということでしたが、実際のところ作成をすることは不可能ではないです。
奥様が一番気にされていた退職金についてのところは、確定事項が必要なため、不確定な状況では強制執行が可能な書面にはならないため、「求める効果を得られないので、作成する意味が薄くなるため、公正証書でなくてもよいのではないか?」ということだと思います。
強制執行ができない状況でも、強い証拠力を持つ書面ということで公正証書を作成する場合もあると思いますが、今回は、奥様の選択により、離婚協議書となりました。
もちろん、公正証書でなくても、口約束だけではなく書面に残しておくことは大切だと思いますよ。
公正証書の作成サポートや離婚協議書の作成なら行政書士大石にご相談ください。