今回、「離婚を決めたから公正証書を作りたい。」とホームページを見て、相談の予約をいただいた離婚相談に関する離婚協議書の作成事例です。
相談に来られた段階では公正証書を作成したいという要望だったため、今どんな状態で、どんなことを公正証書に記載したいのかをヒアリングさせていただきました。
相談内容や要望は明確でしたが、未確定事項が多すぎたため、この段階では公正証書にしても強制執行という力を発揮できない書面となってしまいます。
そして、そのことを奥様にお伝えしたところ、「主人の言うことがコロコロと変わることに不安を感じている。だから、とりあえず、別居する段階で何か書面にはしたい。」ということでした。
公正証書を作成したい方は、高い証拠力ということもありますが、強制執行という力があることを理由に作成を考える方が多いと思います。
約束を破られたくないので、当然といえば当然です。
しかし、強制執行が可能な公正証書にするには、その項目について確定しなければならない項目がいくつもあります。
さらには奥様が別居をするのが数日後に迫っていたのにも関わらず、数日の間に書面にして、ご主人の署名捺印をもらいたいという要望でしたが、公正証書を作成するには、少し日にちがかかります。
こういった2つの理由から、現段階では公正証書でない書面の作成となり、離婚を前提とした別居であり、離婚は確実にされるということでしたので、離婚協議書を作成することになりました。
など。
離婚協議書も証拠力を持つ書面には変わりありませんが、なんでも入れたいことを入れられるのではなく、協議をした上で同意したことを入れるのは前提です。
離婚をする時に養育費や財産分与など、相手に払って欲しいものがあり、払ってもらうという約束を口約束だけにせず、書面などに残しておく必要があると思われることがあるでしょう。
しかし、その背景や約束事など、一般的なものはあるにせよ、全く同じものはありません。
そして、公正証書を作成すれば、強制執行ができると思っている方が多いですが、強制執行を可能にするには、確定すべき事項があります。
また、それだけ強い力を持つ書面ですから、公的な書類により本人確認を行う必要がある等、より慎重な手続きにより作成されるもので、日にちもある程度かかります。
現状と照らし合わせ、今回のように特定できない項目があると、公正証書を作成しても、強制執行が可能な書面にならないことがあります。
それでも、高い証拠力を望まれる場合は作成する意味があると思いますが、「公正証書=強制執行」 と思われている場合は、そのような書面にならないこともあります。
今回のような場合でも、言うことが変わることをふせぐため、現段階で約束したことを書面にし、金額や支払い時期が確定できた時点で公正証書を作成するということもできます。
※実際に今回のケースもそのようになりました。
行政書士大石はそういった人の岐路での約束事についてのサポートをしております。
離婚に関する公正証書の作成実績が豊富だからこそアドバイスできることも多くありますので、離婚での書面を考えておられるのであれば、一度お電話でもご相談ください。
あなたにあった適切なサポートとアドバイスをさせていただきます。