
お子さんがたくさんいらっしゃる奥様から、お問合せのお電話をいただき、「小さい子どもが2人いて、相談に伺えないのですが、出張相談は可能でしょうか?」とのことでした。
そこで、出張相談は初回無料相談の対象ではないことと、書面作成を依頼いただいた場合の相談の対象でもなく、費用が発生することをご説明し、ご了承をいただいた上で、訪問させていただきました。
そして、その場で公正証書の作成サポートをご依頼していただきました。
今回は、別居中の婚姻費用(生活費等)について、公正証書にどのように記載したのかを取り上げます。
奥様は、事前にネット等でかなり調べられたようで、別居についての公正証書作成を希望されていて、その公正証書に記載する内容についてのご相談でした。
ご主人は、公正証書作成についての同意もされていました。
奥様が不安に思われていたのは、お子さんが多く、日々の生活費が多くかかり、「きちんと生活費を払ってもらえなければ、生活ができなくなってしまう」ということでした。
小さいお子さんが2人いて、奥様は働くことができない状況です。また、ご主人には、お金がかかる事情もあり、心配されていました。
婚姻中、日常の生活費、医療費、交際費など、必ずかかる生活費のことを法律上では「婚姻費用」と言います。
夫婦には「生活保持義務」という、同じ生活レベルで暮らせるようにお互いを助け合う義務があり、婚姻費用を分担しなければなりません。
今回の公正証書の主な内容は、この婚姻費用の分担についてになっています。
※別居中の生活費(婚姻費用)の金額を決めるときは、「養育費・婚姻費用算定表」が目安にされることが多いです。
[http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/santeihyo.pdf](検索日:17/08/18)
別居に至るには、それぞれのご夫婦にいろいろな事情があると思いますが、離婚への前段階となることも多いと思われます。ですが、奥様はこの時点で離婚は考えていないということでした。
今回のようなケースでなくても、別居がどのぐらい続くかはわからないと思います。
そのため、別居中の生活費を長く支払い続けてもらう場合でも対応できる記載内容になりました。
また、別居が長く続くと、その間にお子さんの進学等があるかもしれません。
それで、別居期間中に入学金や学費などが発生した場合、生活費とは別で支払ってもらう内容になっています。
その他にも、今まで同様、いろいろな費用についてもご主人が負担されることを約束され、奥様とお子さんが別居中に住まれるお家の住宅ローンも滞りなくご主人が返済されることなど、公正証書に記載されています。
奥様は「今のところは、夫との離婚を考えていない」ということですが、先のことはわかりません。
そのため、もし離婚になってしまった場合についての記載も含まれています。
離婚になった場合については、未成年のお子さんの親権・監護権は、奥様が持たれること、離婚に伴う公正証書を作成することを決められています。
別居の場合、「別居中の生活費の支払が止まってしまうのではないか?」という心配はあると思います。
“夫婦の約束は取り消すことができる”と民法にはありますが、破たんしている夫婦においては、取り消すことが認められないとされています。
別居中でも、婚姻費用をはじめ、ご夫婦の約束をきちんと書面に残しておくと安心です。
別居中の婚姻費用(生活費等)の内容を含めた公正証書の作成サポートなら、オフィス大石までご相談ください。
※今回のように出張相談をご希望の場合は、面談予約時にお伝えいただければと思います。
出張相談は、初回無料相談や書面作成ご依頼の場合の相談には含まれず、別途費用がかかります。また、お引き受けできない場合もありますので、ご了承ください。