支払い済みの財産分与の証拠にもなる離婚協議書の作成

すでに財産分与として折半が完了した、マンションの売却金(諸経費を差し引き手元に残った金額)についての内容

前事例の男性(ご主人)が将来受け取る退職金について、財産分与として女性(相談者)と折半することを、離婚協議書に記載した方と同じ方で、支払い済みの不動産の財産分与について、離婚協議書の中に記載したケースです。

※該当記事→ “言った・言ってないトラブル”を防ぐために口約束を書面化(離婚協議書)

男性と女性はすでに別居されていて、お2人の共有財産であったマンションは、売却手続きも終わり、相談時には、マンションの売却金が近いうちに入るという状況でした。

マンションの売却金から、ローンの残額○○万円を返済し、更に売却に要した諸経費を差し引いて、手元に残った金額○○万円を、財産分与として2人で折半されることが決まっていました。

離婚協議書作成時には、マンションの売却金(諸経費の差し引き後、手元に残った金額)を折半した金額を、既に男性から女性の口座に振込もされていましたので、そのことを記載しています。

支払い済みの財産分与についても、過去の事実の証明として書面(離婚協議書等)に残す

離婚協議書の作成にあたり、これからの財産分与だけでなく、すでに財産分与のやり取りが終わったお金についても、内容として記載することが可能です。

分与の証拠があることで「マンションの売却金を払ってもらった覚えがない」など離婚後のもめ事を回避

離婚協議書に、既に完了している財産分与について記載して証拠を残すことは、どういう意味があるのでしょう。

 

今回の共有財産(マンション)の売却金の折半取得については、お2人の間で既にやり取りが完了していることではありますが、これも離婚に伴い発生したお金の動きですから、後々もめごとがおこらないように、

 

  • そのお金がどうして発生したのかということ
  • 金額を決めることに双方で合意したこと

 

上記に加えて、支払いが完了していれば、そのことを書面に記載します。

 

マンションの売却金に限りませんが、既に財産分与、慰謝料等で支払うことが完了しているお金については、

 

  • 「何について発生したお金」であるか
  • 「いつ」(年月・日付)
  • 「どのようにして支払われたか」(誰から誰へ・どのような支払い方法)
  • 「受け取った方の確認」

 

上記の内容を記載し、そのお金がどのように動いたものなのか書面化しておくことは、大切です。 

支払い済みの財産分与の証拠を残すメリット

今回のように、財産分与のやり取りに使用した通帳に残った履歴のみでは、「動いた金額(誰から誰に)」の証拠にしかならず、「何の目的で」動いた金額なのか、というところまでは証明できません。

しかし、離婚協議書等の書面で、動いたお金の詳細について記載し、証拠にしておけば、後のトラブルを回避することができます。

 

金額の大小に関わらず、やり取りが済んだお金のことであっても、「後々トラブルになってしまったら嫌だな」と、不安に思うものがありましたら、ご相談をしていただければと思います。

 

支払い済みの財産分与の証拠にもなる、離婚協議書の作成については、大阪のオフィス大石にご相談ください。

電話相談も、最初の1時間は無料で行っています。

この事例の担当

行政書士 大石明美 行政書士オフィス大石代表

神戸にある大学の文学部英文学科卒業。
販売関係の仕事、日本語教師を経て、2008年12月10日行政書士オフィスを開業。
離婚等の公正証書作成サポートを開始。
2014年 大阪府行政書士会第65回定時総会にて「会長表彰」を受賞。
北海道から沖縄まで、全国各地から離婚公正証書作成サポート、別居公正証書作成サポート等のご依頼を受けています。

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