今回の事例は、子どもがいる30代女性から離婚に伴う養育費をどうするのかなど、夫婦間で話し合いを行い、事前にだいたいは決めているが、公正証書作成にむけて、どのよう決めればいいのかわからないという事で、作成のサポートをさせてただく事になりました。
今回の公正証書に対して細かく決めた部分は養育費の事です。
また公正証書ですから、お互いの同意がなければ書くことができませんので、「書く事=同意した事」となります。
ここでは、公正証書の養育費についてお二人でどのような事を同意したのかをご説明したいと思います。
養育費というのは、子どもを育てる為に必要な衣食住や教育に掛かる費用の事です。
様々な考え方がありますが、このように思っていただくと理解がしやすいかと思います。
ただ、育てる際に必要な費用として想定される、病気になったり事故にあったりした際の治療費などは「特別の費用」とされ、月々の養育費とは少し違ったものと考えられたりするのが一般的ではあります。
とはいえ、人によって養育費の概念は少し異なります。
養育費は、基本的に毎月発生するものなので、月々払いになるのが一般的です。
その為、下記のような事項を公正証書に入れておく必要があります。
この上記4つの項目は、強制執行を可能とするためには必ず入れる必要があります。
ただ、これを入れたからといって、確実に払ってくれるかどうかというのは別の問題です。
よく振り込みなどを忘れる方の場合は、自動送金の手続きを行う事も記載してもいいかもしれません。
ただこれは、金額が分からないという前提の基になり、費用が発生した時に負担割合を決めるパターンやお互いで折半するパターン、男性側が全額負担するなどのパターンがあり、人によって変わります。
また、今回に関しては、養育費の期限のところで、大学卒業までと決めてはいるが、4年制の大学以外に進学する場合は、その時に再協議して決めると記載する事になり、卒業見込み年度が伸びる際もその時に再協議して決めることを記載する事になりました。
さらに、女性が再婚して、子どもが再婚相手と養子縁組となった場合は、養育費の支払いについて再協議をするという文章も追加しています。
養育費の支払いは長期間続きます。
たくさん払ってほしいという気持ちはあるかと思いますが、現実的に支払いできる範囲の金額よりも高額な養育費を求めると、同意を得られないため、そもそも公正証書にできないです。
子どもとの生活のためにも、お互いの負担を最小限に減らしていくためにも、しっかりと話し合いを行い、養育費を支払う側が継続的に支払いを続けていけるように配慮をしてあげることも重要です。
ただでさえ、養育費の未払いが多い世の中ですから、公正証書にする際は、どんなふうに書けばいいのか?というところにフォーカスするのではなく、どうすればお互いが納得できる公正証書にできるのか?というところにフォーカスしていただくことをオススメいたします。
子どもの年齢や女性側の就業状況、男性側の収入や就業状況など、様々な要因を考えた上で決める必要があります。
合意内容は、それぞれ違いますが、それを正確に記載する必要があります。
よくネット上にでている公正証書の養育費の作成の仕方やテンプレートなどをあてにして、離婚協議書等を書いていただいたとしても、どこかで折り合いがつかないところが出てきて、「うちと状況違うけど、ここってどうすればいいの?」ということになることが予想されます。
そのため、今置かれている状況や、将来的に予想される状況などを加味した上で入れる内容を考え、養育費だけでなく財産分与やその他諸々についてをお互いで話し合い、同意をできて初めて公正証書の内容を作成できます。
離婚という経験は人生の中でそうするものではありませんし、子どものこともしっかりと考えて離婚するのであれば、公正証書にする内容も離婚相談などを行っているプロと相談されることをオススメいたします。
大阪で養育費に関する公正証書の作成サポートは、行政書士オフィス大石で行っております。
電話相談も1時間は無料ですので、お気軽にご相談ください。