不動産売却後の金額の財産分与も含めた離婚協議書~売却は離婚1年後

今回の離婚相談内容

今回ご相談いただいたのは、離婚が決まっている男性です。

「離婚協議書の作成をお願いしたい」とのことで、事務所に相談に来られ、内容をお聞きしました。

お2人には10代のお子さんが2人あり、離婚後、婚姻中住まれていた家には女性と2人のお子さんが住まれ、1年後に住宅ローンが残っている不動産(家)を売却して、財産分与すると決められていましたので、書面作成にむけ詳細をお聞きしました。

前回、養育費の支払いについて書かせていただいた方と同じです。

財産分与として不動産(家やマンションなど)を売却される場合、離婚後すぐに売却に出されるケースが多いですが、1年後と決められたのは、お子さんの学校のことを考慮されてです。

今回は、この離婚後に不動産を売却したときの財産分与について説明させていただきます。

離婚1年後に住宅ローンの残額がある不動産を売却する 財産分与

男性は女性と話し合われて、不動産についての財産分与を以下のようにめられました。

 

  • ローン残額を返済し、売却手続きに要する全ての費用を差し引いて、○○○万円以上残る場合は、○○○万円を男性から女性に財産分与として支払う ※○○○万円は同額
  • 売却の手続きは全て男性が行う ※男性名義の不動産のため
  • 上記手元に残る金額が○○○万円未満になった場合は売却についての費用の明細を提示し、協議して女性が財産分与として取得する金額を決める

 

不動産の売却後に残る金額について、ある程度見込める金額を設定されて決められた内容と思われます。

 

住宅ローンが残る不動産 ー売却までの1年間ー

今回は、住宅ローンが残っている不動産(家)を1年後に売却手続きに入ると決められていましたが、その他以下のように決められました。

 

  • 離婚後、不動産を売却されるまでの間、ローンは男性が責任をもって返済されることを確約 ※ローンの債務者は男性
  • 家財道具などについては離婚後に別途協議して決める ※離婚後も女性と子供が使用するため

 

売却までの期間を設けず、離婚してすぐに不動産の売却を行う場合でも、実際にはすぐに買い手が見つからず、売れるのが先になるということも考えられます。ローンが残っている不動産を売却する場合でも、売却までの期間のローンの支払いなどについて決めておく必要がある思います。

 

その他の財産分与等について

その他、財産分与として、金融機関の預貯金については、それぞれの名義の人のものであることの確認を離婚協議書に入れています。

 

それぞれの名義の預貯金は、共有財産である場合もありますが、それぞれの名義人のものであることを確認しておくことで、離婚から2年まで可能である財産分与の請求はしないという意味になります。

また、財産分与以外では、養育費や面会交流について、慰謝料が発生しないことの確認、争いになった場合の管轄裁判所等を入れています。

 

なお、養育費の支払いについての内容は、前回の事例「養育費に扶養的財産分与も含めた離婚協議書」に書かせていただいています。

 

離婚協議書、離婚公正証書については、行政書士オフィス大石までご相談ください。

この事例の担当

行政書士 大石明美 行政書士オフィス大石代表

神戸にある大学の文学部英文学科卒業。
販売関係の仕事、日本語教師を経て、2008年12月10日行政書士オフィスを開業。
離婚等の公正証書作成サポートを開始。
2014年 大阪府行政書士会第65回定時総会にて「会長表彰」を受賞。
北海道から沖縄まで、全国各地から離婚公正証書作成サポート、別居公正証書作成サポート等のご依頼を受けています。

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