
ご相談をいただいたのは、離婚が決まっている女性。
「夫が、私の独身時代の貯金や亡くなった母の保険金などの私の財産を勝手に使い込んでいました。離婚に際して養育費などの支払いの他に、この使い込んだ金額を返してほしいと思っていますが、額が大きく返済を続けていってもらえるか心配です。こうしたことを公正証書にしたいのですが、どのように決めたらいいでしょうか」というものでした。
夫が使い込んだ総額は非常に大きく、一括での返済は不可能ということでした。
また、この使い込んだお金とは別に月々の養育費の支払いもあるため、月々の返済額を高く設定すると支払いが滞ってしまうことも考えられました。
当事務所で相談の後、お2人で話し合われた結果、離婚後の返済に関しては以下のように合意されました。
今回のケースは返済額が大きいため、夫が可能な範囲で支払いを行っていくことも重要ですが、返済期間を少しでも短縮していくためにこうした内容となりました。
通常、公正証書の原本が公証役場に保管されるのは原則20年間です(実際の保管期間については、各公証役場により取扱いが異なるようです。)
今回作成した公正証書は、内容に従って返済を行った場合、20年以上の年月が必要となります。
公正証書は、保管期間が満了した後でも、必要があればその事由のある間は保管しなければならないという規定があり、この公正証書も、20年過ぎても公証役場に保管されることになっています。
これほど長い期間の約束事というのはそれほど多いケースではないものの、例えば離婚の際に子どもがまだ幼い場合など、長期にわたる養育費の支払いが生じる場合もあります。
数年、数十年という長い期間の約束を守っていくためには、口約束ではなく公正証書などの公的な文書の作成が有効です。そして何より、無理なく実現できる範囲で決まりごとを定めていくための、事前の話し合いや合意が重要となってきます。
こうした公正証書の作成また、事前の話し合いでお困りの際に、専門知識や多くの実績を持つ行政書士のサポートは大きく役立ちます。
公正証書作成や離婚問題でお困りの際は、行政書士オフィス大石までお気軽にご相談ください。