
離婚にあたり、妻は婚姻中住居としていた不動産を財産分与として自分の所有にしたいと希望していますが、この不動産は、私と私の父親との共有名義になっていて、現段階で私の持分を彼女に分与することは事情によりできません。妻は、自分の所有にしたいというより、将来この不動産を自分の子ども達の所有にと希望しているのです。妻が希望するなら、私はそれで構わないです。
というお話しでした。離婚に伴う財産分与として持分の所有権を移転することができないためいつか相続が発生したときに、この不動産をお2人の間のお子さん達に相続させたいという内容です。離婚の話合いから発生した話ですが、結局、将来子どもに相続させるということになります。
これは離婚に伴う財産分与ではなく相続についてのことになりますので、離婚の際の公正証書には残せません。遺言書の作成が必要となることを説明し、ご主人が遺言書を書かれることになりました。
前回の「離婚後のご家族を最大限にサポートすることを記載した公正証書」と同じご主人様からのご依頼でした。離婚の公正証書作成にむけて、合意内容をお2人で確認されている間に新たにでてきた内容です。ご主人は、奥様が希望される通りで構わないということで、自筆証書遺言を作成されることになりました。
そこで今回は、自筆証書遺言について少しお話しさせていただきます。
ご主人は将来的にも遺言書を作成することは考えられていませんでしたが、不動産について奥様のご希望通りにすることに合意され、遺言書を作成されることになりました。
遺言書の種類は全部で3種類あります。その説明をさせていただき、自筆証書遺言にされました。
3つある遺言書の種類のうち、秘密証書遺言はほとんど使われることはありません。自筆証書遺言の場合遺言者がお亡くなりになり遺言書を開封するとき、必ず家庭裁判所での検認手続きが必要になります。
公正証書遺言は、遺言書を開封する場合、家庭裁判所での検認は必要ではありません。そして今回作成のお手伝いをさせていただいたのは、自筆証書遺言です。
自筆証書遺言は名前の通り、全文本人が自筆しなければいけません。ワープロやパソコンを使った遺言書は有効ではありません。遺言書は偽造や変造を防ぐため、遺言者の真意を確保するためにも、決められた方式に従って記載しなければなりません。
今回のケースでは、遺言書作成に必要なことをお聞きし、そのお話しをもとに自筆証書遺言の原案となるものを作成しました。あとは内容を確認後、ご主人に全文、作成年月日を自筆し、署名押印していただきました。
遺言は遺言者の死後において効力を発生させる書類です。きちんとした手続きであなたの思いが伝わる遺言書作成をサポートさせていただきます。
遺言書の作成についても、行政書士オフィス大石までお気軽にご相談ください。