【事例で分かる】別居の公正証書を作成するときに注意したほうが良いこと

今回の離婚相談内容

「離婚する前提で別居をしたので、公正証書を作成したい」と、問い合わせをいただき、公正証書作成サポートをするようになった事例です。

ちなみに、「離婚の際の公正証書」と「別居に関する公正証書」は別物です。

離婚が決まっているから別居するとはいえ、別居している時に作成した公正証書が離婚した際に内容が同じであっても、そのまま使えるものではないので、まずは別居と離婚それぞれの公正証書についてご説明させていただきました。

別居で公正証書を作りたいと思う方の多くは、強制執行力を持つ書面として公正証書を作成し、婚姻費用(生活費や子どもなどに掛る費用)を確実に支払ってもらうためにというのがほとんどです。

ただ、別居に関する公正証書に強制執行能力を持たせるためには、いつからいつまで別居中の婚姻費用の支払となるのかを書面上では明確にする必要があります。

そして、今回のケースは、離婚を前提とされていて、離婚は数年後と考えられていたようでもありますが、お話しをお聞きして説明した結果、この段階では別居に関する公正証書を作成することになりました。

ここから、別居に関する公正証書を作成するために詳しくヒアリングさせていただきました。

別居の公正証書の作成に対しヒアリングしたこと

  • 離婚時期は決まっていますか?
  • 婚姻費用(生活費や子ども等にかかる費用)はいくらなのか
  • それ以外に支払うお金等はあるのか
  • 子どもはどちらと住むのか
  • 子どもとの面会はどうするのか
  • 他に決めたことはありますか?

これらの情報を詳しくヒアリングしていきました。

回答および公正証書に入れた内容は下記でご紹介します。

別居に関する公正証書に対するヒアリングへの回答

別居の公正証書に記載した詳細内容

離婚時期は決まっていますか?

長女が大学卒業した頃(作成当時は18歳)に離婚すると今は考えていますが、それより早く離婚することになるかもしれないし、まだ先かもしれないということでした。

その理由の一つに次女がいることもありました。

ただ強制執行できない書面では困るということで、長女の大学卒業見込み年月に離婚するとされ、婚姻費用についてはそこまでと書面上では決められました。そのときが来たら、協議するとなっています。

ただし書きを入れ、それ以外の場合についても決められたことはあります。

婚姻費用(生活費や子ども等にかかる費用)はいくらなのか

金額を記載することはできませんが、明確にいくらと決められていました。

ボーナス月に関しては30万円プラスすることも決まっていました。

それ以外に支払うお金はあるのか

ご主人は勤務先のオーナーと奥様のお母様から、お金を借りていたようで、オーナーへの返済は奥様がされていました。そのため別居中も、奥様が返済することになるため、返済にあてる費用を奥様に振込むことが決まっていました。

奥様のお母様への返済は、奥様に返済し、そこからお母様へとされました。

子どもはどちらと住むのか

子どもは奥様と住むことが決まっていました。

お二人は既に別居していて、ご主人は現在は単身赴任でした。

子どもとの面会はどうするのか

子どもは既に大きいので、自由に連絡を取り合い、自由に会ってもいいということで決まっていました。

他に決めたことはありますか?

今後相手方の生活に対して誹謗中傷しないことを確約することと更にもう一つ決められたことがありました。

ご主人は、奥様の職場の元上司との不倫を疑っていて、その元上司は転勤したから今は会っていないようですが、それでも、会っているのではと感じていたようです。

そのため、その元上司とは会わないことを約束したそうです。

まとめ

別居となると、離婚を考えている人が多いと思いますが、離婚時期が明確になっていないことが多いと思います。また、必ず離婚に至るわけでもないと思います。

その状態で、別居期間を決めないまま婚姻費用の支払いの約束を守ってほしいからといって公正証書を作成したとしても、婚姻費用を支払ってもらう期間が確定していなければ、支払ってもらえなくなった場合に強制執行する力はありません。

だからこそ、別居で公正証書を作成する場合、どのようにすれば強制執行の力をもつ書面となるか等、できる限りプロにサポートをしてもらって作成することを推奨いたします。

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