養育費に扶養的財産分与も含めた離婚協議書

今回の離婚相談内容

今回ご相談いただいたのは、離婚が決まっている男性です。

「離婚協議書の作成をお願いしたい」とのことで、事務所に相談に来られ、内容をお聞きしました。

お2人には10代の子どもが2人あり、養育費の支払いは、支払いが始まるときから10年間と決められていました。

養育費の支払いの期間については、お子さんが20歳まで、または大学卒業までと決められるケースが多いです。

ご相談者のお子さんは、お2人とも10代でしたので、10年間支払うと、お子さんが大学を卒業された後も養育費の支払いが継続するということになります。

これは、男性から女性に対しての扶養的財産分与という意味を含めてのことだと思います。

今回は、この養育費の扶養的財産分与について説明させていただきます。

扶養的財産分与を含めての養育費について

財産分与とは

財産分与は、大きくわけると3種類あります。

 

  • 清算的財産分与  婚姻中、夫婦で築いた共有財産を清算する
  • 扶養的財産分与  離婚後の相手方の扶養
  • 慰謝料的財産分与 相手への有責を考慮したもの

 

清算的財産分与は、婚姻中の夫婦の共有財産を公平に分配するもので、財産分与というとこの場合がほとんどです。

扶養的財産分与は、離婚により、一方が十分な収入を得られない場合等、経済的に大変になるような事情がある場合、離婚後も扶養するため一定額を定期的に支払うような場合のものです。

 

慰謝料的財産分与は、有責であることを財産分与に含めて分与するというものです。

 

離婚後の相手が安定した生活を送れるように扶養的財産分与

扶養的財産分与とは、離婚により、一方が十分な収入を得られない場合等、経済的に大変になるような事情がある場合等、離婚後の相手が安定した生活を送れるようにするためのものです。

 

結婚後、専業主婦(主夫)となられた方や、乳幼児がいる状態で離婚される場合などは、仕事ができなかったり、仕事をしても生活に十分な収入を得られない場合があります。

 

このような場合、離婚後の相手が安定した生活を送れるように、お2人で合意して決められた期間や金額で支払われるケースがあります。

 

扶養的財産分与を含めての養育費支払い期間

今回のケースは、特に扶養的財産分与としてのお支払を決められたのではなく、養育費の支払期間をお子さんの年齢で決めるのではなく、お支払からの年数として決められました。

お子さんが大学卒業するまでよりも長い支払い期間となっています。

 

女性が婚姻中は専業主婦で、お仕事をされていない状態でしたので、離婚後もすぐにお仕事が決まるかわからないようでした。

それで、女性の離婚後の生活を考え、養育費の支払終期をお子さんの年齢で決めるのではなく、10年間支払うと決められたようです。

 

他に、財産分与(清算的財産分与)としては、不動産についての取り決めがあるのと、預貯金はそれぞれの名義のものと確認されました。

この不動産については次回説明させていただきます。

 

養育費や財産分与など離婚協議書は、行政書士オフィス大石までご相談ください。

この事例の担当

行政書士 大石明美 行政書士オフィス大石代表

神戸にある大学の文学部英文学科卒業。
販売関係の仕事、日本語教師を経て、2008年12月10日行政書士オフィスを開業。
離婚等の公正証書作成サポートを開始。
2014年 大阪府行政書士会第65回定時総会にて「会長表彰」を受賞。
北海道から沖縄まで、全国各地から離婚公正証書作成サポート、別居公正証書作成サポート等のご依頼を受けています。

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